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あさりの砂抜き方法は3種類! ~時短か?うまみを重視するか?~

あさり 潮干狩り
この記事は約20分で読めます。

あさり砂抜き方法をご紹介します。

潮干狩りで採ったあさりの砂抜き方法を、3種類ご紹介します。

  1. [王道] 海水(食塩水)で数時間かけて砂を吐かせる方法
  2. [新技] 5分でできる50度洗い
  3. [匠技] 貝を開けて砂を直接流す方法

砂抜きとあわせて、うまみを引き出すテクニック、食中毒を予防するための情報もご紹介します。それぞれの砂抜き方法のメリット・デメリットを理解して、用途に合わせて砂抜きをすると良いです☆

参考 先に結論「どの砂抜き方法が良いか」
私は「海水(塩水)で数時間かけて砂抜きする方法」がトータルの手間、うまみアップ、あさり道的な観点(苦しめない)から一番良いと思います♪
忙しい主婦の方は、50度洗いにチャレンジしてみるのも良いと思います☆

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砂抜きする前に、あさりを流水でゴリゴリ洗う

まずは、砂抜きをする前に、あさりをザルにあけて水道水(流水)でゴリゴリ洗います。

あさりを流水で洗う

どの砂抜きの方法でも必要になる事前作業で、以下の効果があります。

  • 雑菌(腸炎ビブリオ菌など)を洗い流す
  • 死んだ貝殻を判別する

また、注意点は以下です。

  • 溜めた水ではなく、流水で洗う
  • ゴリゴリ♪洗う
  • 台所で洗わない

あさりをこすりながら流水で洗い流すことで、貝に付着している雑菌(腸炎ビブリオ菌など)を洗い流すことができます。潮干狩り場で一度洗っている場合でも、砂抜き前に再度洗います。移動中に、現地で洗い残した雑菌や、あさりが吐いた砂によって、雑菌が繁殖している可能性があるためです。

また、ゴリゴリ擦って洗うことで、死んだ貝殻を判別することができます。
擦った時にカラカラと高い音がするものが死んでしまって中身が空の貝です。目視では判別できないため、音で判別して取り除きます。

台所で洗わない理由は、食中毒を防ぐためです。あさりなどの貝類には腸炎ビブリオ菌が付着している可能性があります。この菌は繁殖力が高く、2時間もすると爆発的に増える菌です(詳細は後述します)。過去のあさりの食中毒は、あさりに付着している腸炎ビブリオ菌が台所の調理器具に付着して起こっています。そのため、貝を洗う作業は台所ではなく、風呂場か野外で実施するのがベストです。

あさりを砂抜きする前に、必ず水道水(流水)でゴリゴリ洗う
・死んだ貝を取り除く
・台所で洗わない
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海水(食塩水)で数時間かけて砂抜きする方法

まずは、最も一般的な海水で砂抜きする方法をご紹介します。

この方法は、あさりを海水に浸して数時間放置して砂を吐かせます。あさりは「砂抜きと」「塩抜き」をすることで、美味しく食べられるようになります。ただし、トータルで5時間~8時間かかるののが難点。

参考 以降の手順は、詳細な解説を交えて記載しています。お急ぎの方はタイトルと中身をザッと読み流して、最後の「まとめ」をご覧いただくと良いと思います。気になる所があれば戻って読んでみて下さい。

砂抜きと塩抜きについて

「砂抜き」は聞きますが、「塩抜き」は聞き慣れない方もいるかもしれません。

  1. 砂抜き … あさりの砂を吐かせるために必要
  2. 塩抜き … あさりから塩分を抜くことと、うま味成分(コハク酸)を増やすための作業

参考 塩抜きしなくても食べられる
あさりは塩抜きしなくても食べられますが、あさりが海水を含んでいるため、塩気が強くなります。塩抜きしないで食べる場合は、塩分を控えめにして調理すると良いです。

「砂抜き」が必要
「塩抜き」もするべき

必要な道具

あさりの砂抜きに必要なものは「海水 (または食塩水)」「水切りバット」「新聞紙」です。

あさりの砂抜き

海水 (または食塩水)

砂抜きは、あさりに呼吸をしてもらう必要があります。そのために海水(または食塩水)が必要です。

海水を持って帰る

  • 現地の海水を持って帰るのが理想的
  • 多めに持って帰ると良い

生息地の環境に近いほうがあさりが砂を吐くので、潮干狩り会場の海水を持って帰るのが理想的です。

また、海水を入れ替えて2回砂抜きできる量があると理想的です。そのため、海水は多めに持って帰ると良いです。

潮干狩り場の海水を、砂抜き用に多めに持って帰る

ただし、海水がなくても食塩水で砂抜きができますので、心配はいりません。

食塩水 (海水がない場合)

海水の代わりに、3%の食塩水(天然塩)を使って、あさりの砂抜きができます。

  • 500mlのペットボトルの水に対し、塩 大さじ1杯

食塩水を作る時の分量は、500mlのペットボトルの水に対し、大さじ1杯(≒食塩16g)。これで塩分濃度3.1%の食塩水ができます。海水の塩分濃度は場所によって違い2.8%~3.5%と幅がありますので、15分ほどしても砂を吐かないようなら塩を少しづつ足して様子を見ます。

食塩水は、500mlのペットボトルの水に対し、塩 大さじ1杯

参考 海水の塩分濃度と比重

水切りバット・ざる・ボウル

あさりの砂抜きをする時には、海水にヒタヒタに浸けて、あさりが吐いた砂を再び吸い込まないようにします。そのために、水切りバットや、ざる・ボウルのセットが必要です。

水切りバット・ざる・ボウル

  • 底が平らなバットが理想的
  • あさりを底上げできれば、なんでも良い

底が平らなものが理想的です、あさりが吐いた砂を再び吸わないようにさせるために、あさりが重ならない方が良いためです。また持っ帰った海水の量は、限られているため、底が浅い容器のほうが使う海水が少なくてすみます。

平らなバットがない場合は、ざる・ボウルなど、あさりを底上げできれば何でも良いです。我が家ではざる、ボウルも使い切ったらバケツ、フライパンも使用します 😆  ザルが無くなったら小物入れ用のカゴ、園芸用の砂フルイの網などを使うこともあります。(冒頭の写真)

あさりを底上げできる容器(バットやザル・ボウル)を準備する
足りなければ、使えそうなものを家中からかき集める

新聞紙

あさりの砂抜きをする時には、容器の上に新聞紙を被せます。

  • 暗くしてあさりが砂を吐きやすくする
  • あさりの潮吹きで周囲が濡れないように蓋をする

という役割があります。

砂抜きをする時には、あさりの生息環境である海底の光量に近づけてあげるために、暗くすることで砂抜きがはかどります。

また、砂抜き中にあさりが吹く潮を飛び散らないようにする効果があります。あさりの潮吹きは意外と凄いんです!周囲1mほどに海水を撒き散らすので、うっかりしているとビショ濡れになるので、ご注意ください☆

新聞紙がない場合は、容器を覆えればなんでも良いです。古雑誌や、まな板を使ってみたり、タオル被せたり工夫してください。

砂抜き中に容器に被せる新聞紙が必要。(覆えれば、なんでもOK)
・暗い環境で砂抜きさせる
・あさりの潮吹きで周囲を濡らさないため

あると便利な道具

あさりの砂抜きをするにあたり、あると便利な道具をご紹介します。

グローブ・軍手

潮干狩りで使ったグローブがあるとあさりをゴリゴリ水洗いする時に、手が痛みません。グローブがなかったら、軍手でも良いと思います。

あさりの表面はザラザラしているため、ゴリゴリこすり洗いしていると手の皮が擦れて、ササクレや肌荒れの原因になります。

水温計

水温計があれば、砂抜きの際の水温を測ることができるので便利です。濡れても大丈夫な温度計でも良いと思います。

砂抜きに適した水温は20℃前後です。冷たいと砂抜きに時間がかかりますし、温か過ぎるとあさりが弱ってしまいます。水温を測って砂抜き時間を調整したり、砂抜き場所を替えたりすることができます。

砂抜き

砂抜きの方法は、必要な道具そろったら、セットして待つだけです。

あさりの砂抜き

  • バット(ザル・ボウル)にあさりを並べる
  • あさりがヒタヒタになる海水を入れる
  • 新聞紙を被せる

この状態で4時間待てばOK。

ポイントは

  • あさりを(なるべく)重ねない
  • 海水の量はヒタヒタ
  • 水温は20℃がベスト
  • 砂抜きは4時間で十分
  • 台所で砂抜きしない

といったところです。

あさりを(なるべく)重ねないようにする理由は、吐いた砂を再度吸わないようにするためです。また、健やかな環境で気持ちよく砂を吐いてもらうための計らいでもあります♪ 極端な話、あさりをギュウギュウに詰め込んでしまうと、下の方はあさり達の重みで貝が開かなかったり、貝が開いても、身を自分の殻で挟んで弱ってしまう可能性があります。とは言え、スペースや海水の量が足りない場合もあるので、その時には2~3段ほど貝が重なる状態で砂抜きをする場合もあります。

また、海水の量はヒタヒタじゃないと砂を吐いてくれません。貝が海水に沈んでいる状態だと、砂の抜けが悪かったりします。あさりは水管で海水を吸って吐くので、深さがあると自分で吐いた砂が水の中を漂って、再度あさりが吸ってしまうようです。あさりすれすれの水位は結構重要なポイントです。

水温は、20℃だとあさりが活発になるので砂を吐きやすくなります。15℃だと活性が低く、25℃だと温か過ぎます。冷たいと活性が下がって砂抜きに時間がかかってしまいますし、夏場など暑い時には貝が弱るので注意が必要です。

  • 春の潮干狩りシーズンは、屋外の日陰で砂抜きすればOK
  • 冷蔵庫は水温が下がるので、砂抜きには向かない
  • 夏場に直射日光が当たる場所で砂抜きをすると茹で上がって死んでしまう

砂抜きの時間は4時間がベストです。あさりは、環境が整っていれば2時間ほどで砂を吐きます。そして、砂を吐かないあさりもあり、それらは長時間砂抜きしても変わりません。また、あさりを弱らせないために4時間以上の砂抜きは避けたほうが良いです。砂抜き中は、海水が循環していないため、海水の酸欠や汚れで長時間あさりが過ごすのに適してしないため弱ります。そのため、2時間ごとに海水を入れ替えて、砂抜きするのが理想的です。

台所で砂抜きしない理由は、腸炎ビブリオ菌による食中毒を防ぐためです。腸炎ビブリオ菌は繁殖力が高く、2時間後には爆発的に増える菌です(詳細は後述します)。また、過去のあさりの食中毒は、あさりの吹いた潮に含まれる腸炎ビブリオ菌が台所の調理器具に付着して、その調理器具を使って非加熱の調理をしたことが原因だったりします。そのため、台所の砂抜きは裂けたほうが無難です。

道具が揃ったら、セットして4時間待つだけ
・海水はヒタヒタ
・あさりは(なるべく)重ねない
・水温に(チョット)注意
・砂抜きは4時間で十分
・台所で砂抜きしない

砂抜きが終わったらゴリゴリ水洗い

砂抜きが終わったらゴリゴリ水洗いします。

あさりを流水で洗う

砂抜きで4時間放置したあさりは、雑菌(腸炎ビブリオなど)が繁殖している可能性があります。

あさりの砂抜きが終わったら、必ず水道水(流水)でゴリゴリ洗う
・台所で洗わない

砂抜き前に水洗いしたのと同じ要領です。

塩抜き

砂抜きが終わったら塩抜きです。その方法は、

  • 海水のないところで3時間放置
  • 砂抜きの「海水なし版」の手順

砂抜きの終わったあさりを水切りバットごと洗ったら、そのまま海水無しで放置すればOKです。砂抜きと同様に、新聞紙を優しくかけてあげて下さい☆

あさりの塩抜き

塩抜きの効果は

  • あさりが、貝の中に保持している海水を抜いて、塩気を抜く
  • 旨み成分のコハク酸を醸成させる

です。

あさりを砂抜きしたまま調理すると、あさりが貝の中に保持している海水が残っているため、塩分が強くて料理に使いづらかったりします。そのため、空中で放置することで海水を抜きます。30分放置すれば塩分が抜けます。

また、水から揚がったあさりは、貝を閉じて海水のない厳しい環境に耐えることになります。この過酷な環境で我慢することが、旨味成分を醸成することが分かっています。ただし、3時間以上放置しても効果はありません。

参考 実はウマい!?貝 あさり | 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー

塩抜きする時には、あさりが潮を吹くため、腸炎ビブリオ菌による食中毒に注意する必要があります。場所は、台所ではなく、風呂場か涼しい屋外が良いです。砂抜きと同様に新聞紙などを被せてください。

海水のないところで3時間放置して塩抜きする

塩抜きが終わったらゴリゴリ水洗い

塩抜きが終わったらゴリゴリ水洗いします。

砂抜き前後の作業と同じ手順です。

あさりの塩抜きが終わったら、必ず水道水(流水)でゴリゴリ洗う
・台所で洗わない

塩抜き後に水洗いしたら、あさりの砂抜き・塩抜きは完了です♪

お疲れ様でした。

まとめ

砂抜き、塩抜きの手順のまとめです。

準備

  • 道具
    [必要] 海水(または食塩水)、水切りバット、新聞紙
    [便利] グローブ・軍手、水温計
  • 注意点
    台所で作業しない

砂抜き・塩抜きの手順

  1. 水道水(流水)でゴリゴリ洗う
    ・死んだ貝を取り除く
  2. 砂抜きする
    ・海水はヒタヒタ
    ・あさりは(なるべく)重ねない
    ・水温に注意 (20℃がベスト、前後5℃までが目安)
    ・砂抜きは4時間で十分
  3. 水道水(流水)でゴリゴリ洗う
  4. 塩抜きする
    海水のない状態で3時間放置
  5. 水道水(流水)でゴリゴリ洗う

参考  我が家の砂抜きは、2時間×2セット

基本的な砂抜きは、3時間~4時間の1セットで問題ありませんが、我が家の場合は、2時間の砂抜きを2セット、最後に塩抜きをします。

2時間の砂抜きを2セットする理由

  • こまめに水洗いすることで、腸炎ビブリオ菌の繁殖を防ぐ
  • 海水を入れ替えることであさりが弱るのを防ぐ

この方法が、砂抜きの方法としてベストな方法だと思います。時間がない時には、状況を見て4時間1セットにしたり、塩抜きの時間を短縮したりします。

目安時間 作業 説明
数分 水洗い あさりを水道水で洗う。
2時間 砂抜き
1回目
あさりを水切りバットに薄く並べて、海水であさりを「ひたひた」に浸ける。その上から新聞紙を被せて涼しい屋外で放置。
数分 水洗い あさりを水道水で洗う。
2時間 砂抜き
2回目
新しい海水に交換して、再度砂抜きをする。
トータル 4時間の砂抜きをすれば、大抵は砂抜きが完了する。
参考 あさりの吐いた砂の量を見ながら、砂抜きの時間を調整する。
数分 水洗い あさりを水道水で洗う。
30分

3時間
塩抜き 海水なしの水切りバットにあさりを並べて3時間放置。
時間がない時は塩抜きの30分で切り上げる。
数分 水洗い あさりを水道水で洗う。入念に洗っておく。

砂抜き・塩抜きのポイント

あさり砂抜き・塩抜きのポイントについて、気になるポイントをQA形式でまとめてみました。

食塩水を作る「水」は水道水で良い?

あさりの砂抜きをする時には、潮干狩り場の海水がベストですが、なかなか海水を汲んでくるのが難しかったりします。そんな時には食塩水で砂抜きをするのですが、食塩水を作る「水」は何が良いのか実験した内容が「潮干狩り〈2005年改訂版〉―その楽しみ方・貝の知識から俳句・歴史まで」に載っています。

一番砂を吐いたのが軟水のボルヴィックで、次にカルキを抜いた水道水という結果です。その他の水でも試した結果が掲載されいるので気になる方は読んでみてください。

食塩水の濃度は何%が良い?

食塩水の濃度は3%で大丈夫です。500mlの水に塩 大さじ1杯。1Lなら大さじ2杯。そして、多少濃くても大丈夫なようです。

私が3%をオススメする理由は、実際の海水の塩分濃度2.8%~3.5%の中間の値であるということです。

薄めが良いとか、濃い目が良いとか色々な記載を見かけますが、この点についても実際に実験した結果が「潮干狩り〈2005年改訂版〉―その楽しみ方・貝の知識から俳句・歴史まで」に載っています。

意外な実験結果で驚きました。気になる方は読んでみると良いと思います。

砂抜き時間はどのぐらい必要?

砂抜きの時間は、環境が良ければ2時間で完了します。汲み置きの海水で砂抜きをする場合は、酸欠と水質悪化の観点から長くても4時間にすると良いです。水温が低く(15℃以下)、あさりの活性が良くない時には一晩放っておいてもあさりは生きていますがオススメしません。

砂を吐き終わる時間は、さまざまな条件によって決まります。
・あさりの個体差
・現地との環境差異(明るさ、水温、水質)

参考 実際に、2日間あさりを砂抜きしたまま置いた事がありますが、確かにあさりが弱っていたと感じました。砂抜き、塩抜きが終わったら、1日~2日で食べるものは冷蔵庫(野菜室)に入れて、保存するものは冷凍してしまったほうが良いです。

砂抜きが終わったか「確実」に確認する方法

砂抜きが終わったか確実に確認する方法があります。

それは、実際に食べてみることです。

砂抜きが終わったか、気になる方は「実際に何個か抽出して、フライパンでサッと火を通して食べてみると良いです。

試しに食べてみるあさりは、一番下にいる砂抜き条件の悪いあさりが良いです。下のあさりは、上のあさりが吐いた砂を吸い込む可能性があるので、砂抜きが一番遅れます。下のあさりの砂が抜けていたら、上のあさりも砂抜き済みだと考えて良いです。

腸炎ビブリオ菌について知る

あさりには腸炎ビブリオ菌が付着している可能性があります。

潮干狩りで採取したあさりは、衛生管理が整った流通市場とは違い、適切な衛生管理が必要です。砂抜き、塩抜きの手順で「水洗い」の工程を入れているのはこのためです。

そして、台所であさりを扱うのは避けましょう。特に夏場などは、二次感染の可能性が高まります。

あさり自体は加熱して食べるので問題ないです。

砂抜き中にあさりが飛ばした潮が調理器具(包丁・まな板)に付着して、そこで腸炎ビブリオ菌が繁殖。気づかずに別の非加熱の料理(サラダなど)をして、食中毒を起こすケースが多いようです。

腸炎ビブリオ菌の対策
加熱処理で死滅
真水に弱い

予防方法
・あさりは水でしっかり洗う。
・あさりが吹いた潮が、調理器具や食器に付着したら洗剤で洗う
・加熱処理をしっかりして食べる。推奨は61度 10分以上 (実検証では60度 30秒で死滅)
・低温で管理する (4℃以下では大きな増減はない)

中毒症状
・致死率は極めて低い
・およそ3日間で自然回復する
・発症までの潜伏期間は6~24時間(平均12時間)
・発症すると激しい腹痛、下痢、嘔吐、発熱などを伴う

時間経過と発症率について
・環境中での病原性株の割合は 1%程度と低い
・10万以上の菌数の病原性菌株により発症する。発症率は54%。
・最適条件下では10分以内に分裂する

増殖の速さは驚異的です。
腸炎ビブリオ菌の繁殖速度と食中毒発症ライン

加熱で殺菌できますが、繁殖力は高いため二次感染には十分な注意が必要です。
あさりが病原性株の腸炎ビブリオ菌を1つでも持っていた場合は2,3時間で食中毒を招く可能性があります。

出典 内閣府 食品安全委員会 食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書

暗くして砂抜きする理由は?

砂抜きする時には、新聞紙を使って暗くしてあげると良いです。

あさりは明暗を見分けられるとのことです。そのため、あさりが生息している砂の中の状態を再現してあげるとストレス無く砂抜きができるはずです。

暗くするためにフタをすると、潮吹きで周囲が濡れなくなるメリットもあります。

水温にも気をつける

砂抜きの際には水温に気をつける必要があります。

観賞魚と同様に、あさりも生き物なので、水温の影響を受けます。

あさりの適正水温について別記事に記載していますが、あさりの生息水温は、おおよそ 0℃~30℃。あさりが生息している地域の水温や実際の活性を考えると15℃~25℃が現実的な適正水温です。そして一番活性が高いのが20℃近辺のようです。

また、持ち帰ったあさりに、急な温度変化を与えるとストレスがかかってしまいます。クーラーボックスで冷やして持ち帰ったあさりを、車で持ち帰ってきた温かい海水に浸けるのは、あさりに優しくない対応です。

しばらく隣に並べて温度を近づけるなどして気を配ってあげると良いと思います。

塩抜きで「うまみアップ」

塩抜きの作業を忘れないようにしましょう。

あさりのうまみ成分(コハク酸)を増やすための大事な作業です。あさりにコハク酸を醸成してもらうためには、水から揚げて3時間程度放置する必要があります。ちなみに、3時間以上放置しても効果はありません。

食べ比べてみると違いがわかると思います♪

出典 実はウマい!?貝 あさり | 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー

鉄クギは効果があるのか?

砂抜きの際に、「包丁や鉄クギを入れておくと砂がよく抜ける」という話を聞いたことがありますが、個人的には効果については疑問です。

実際に試した内容が「潮干狩り〈2005年改訂版〉―その楽しみ方・貝の知識から俳句・歴史まで」に載っています。レポートも詳細です。一例として大変参考になりますので、結果が気になる方は読んでみると良いと思います。

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「50度洗い」なら5分で砂抜きと塩抜きが完了

お急ぎの方に便利な方法が、最近話題になっている「50度洗い」です。

採れ高が少なく、数日で食べきってしまう量であれば50度洗いが便利だと思います♪
ただし、冷凍保存をするあさりに対しては…? 個人的には疑問が残る方法です。

50度洗いの方法

50度洗いの方法は、

あさりを50度のお湯に5分間浸ける

です。

一般的な砂抜きだと7時間以上はかかるので、比べると驚きの時短効果です。

注意点は

50度を保ち続ける

こと。

あさりを投入するとお湯の温度は下がるため、温度管理が難しいようです。

  • 43℃以下では雑菌が繁殖しやすくなるためNG
  • 60℃以上だとあさりに火が通って、出汁がでてしまう

完全に砂が抜けなかったり、お湯の温度管理が難しいようで、失敗する方もいるようです。

興味はあるけど…、疑問が残る砂抜き方法

あさりの立場で考えたら、死ぬか生きるかの温度で加熱されるのは苦しいことでしょう。

潮干狩りでは、ありがたく自然の恵みを一粒一粒拾ってきます。「あさり道」的にも、あさりが苦しむ姿はあまり見たくないのが個人的な感想です。

時間がない時には便利だと思います。ただし、長期保存するあさりは海水で砂抜きして塩抜きしたほうが良いと感じます。

とはいいえ、興味がある方法なので♪
実際に試してみたらレポートしたいと思います☆

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あさりの身を直接洗って砂抜きする

あさりを直接洗ってしまうという荒業があります。

あさりの砂は身に含まれるわけではないため、貝を開けて身を洗うことで砂抜きができます。

現地で採ってBBQですぐに食べたい♪ という時に有効な手段です。

活きたあさりを剥いて水で洗う

活きたあさりの剥き方はこちら

あさり剥き道具はこんな物です

あさりを剥いて、ザルで洗って砂を落とすことができます。

貝を少し開けて水洗い

貝の口を少し開けて水を流し込むという方法もあります。

慣れとテクニックが必要そうですが、身につけておくと、急ぎの時に便利そうです。

煮て、身を取り出して水洗い

あさりを煮てから洗うという方法が一番手間が少ないと思います。ただし、出汁がでてしまうので、煮汁も上手に使う必要があります。

  1. あさりを煮て貝を開く
  2. 貝だけ取り出して水洗いして砂を落とす
  3. 出汁は捨てずに濾して使う

味噌汁なんかには使えそうな技です。

こちらも、試したらレポートしたいと思います。

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まとめ

あさり砂抜き方法についての所感をまとめました。

方法 時間 うまみ お手軽さ
(手間)
備考
海水で砂抜き × 昔ながらの方法。5時間~8時間かかる
50度洗い △? 最近の手法、失敗することもある、うまみは未知数
直接身を洗う △? 急ぎの時に少量食べるのに便利、うまみは未知数
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参考 あさりの持ち帰り方と保存方法

関連情報として、あさりの持ち帰り方と保存方法について、ご案内します。

持ち帰り方

あさりの持ち帰り方は、以下の記事にまとめました。

あさりの持ち帰り方を徹底解説 ~痛めず新鮮に扱うコツ~
あさりの持ち帰り方をご紹介。潮干狩りで採ったあさりを傷つけず新鮮に持ち帰るためには、「海水なし」で「温度管理」に気をつけることが重要です。根拠となる生態を元に解説します。正しい情報を元に、最適な運搬方法で持ち帰りましょう♪

要点

  • 現地の真水であさりを水洗いする
  • あさりは水から揚げて持ち帰る
  • クーラーボックスなどで15℃以下に冷やしておく

保存方法

あさりの保存方法は、2~3日であれば冷蔵庫で保存することができます。

2~3日以内に食べるのであれば、海水なしで冷蔵庫に保存することができる
・乾燥しないように、濡れた新聞紙で包む
・腸炎ビブリオ菌の二次感染には気をつける

上記の持ち帰り方で記載していますが、あさりは気温0℃~15℃なら7日以上も海水なしで生きています。そのため、一般的に7℃~10℃の野菜室なら問題なく生きていられます。

長期保存方法

あさりは貝ごと冷凍して長期保存することができます。

  • 貝ごと冷凍庫に入れる
  • 使いやすい用に小分けにして冷凍すると便利
  • 半年を目処に食べきる

我が家でも、たくさん採れた時には冷凍して保存しています。

家庭の冷凍庫だと、冷凍できる期間は半年が目安だと思います。我が家では1年間冷凍したあさりを解凍して食べたら違和感を感じました(笑

冷凍したあさりは、一気に加熱することで貝を開いてくれます。生のあさりと同じように扱って大丈夫です。逆に、冷凍したあさりを自然解凍すると、開かないのでご注意下さい。

 

 

あさりは貝ごと冷凍すれば長期保存できる
解凍する時には一気に加熱する

 

たくさん採れたら、しばらくあさりを楽しむことができます♪

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