潮干狩りの危険をご紹介します。
アカエイ・貝毒など、気をつけないといけないことがあります。知らずに取り返しの付かない事態にもなりかねません。
家族みんなで無事に帰ってきて楽しい食卓を囲めるように、潮干狩りの危険とその対策をご紹介します☆
遭遇頻度と被害の深刻さを元に、注意すべき順にご紹介していきます。
アカエイ
Photo by Nemo’s great unclea
潮干狩りでの遭遇確率が高く、被害も大きいのがアカエイです。
アカエイは浅瀬によく潜んでいるため身近な危険です。海水浴やサーフィンで被害に合うケースも多いです。潮干狩りでは干潟に打ち上がっているエイをよく見かけます。
アカエイは尻尾に毒棘を持っています。死んでも毒性は消えないため近づかないこと。また、アカエイだけでなくエイ類は毒棘を持つものが多いため、エイ類は危険と覚えておくと良いです。
エイに刺されると激しい痛みに襲われます。最悪の事態はアナフィラキシーショックで死に至ります。万が一、子供が体を刺されたら致命傷になるかもしれません。
アカエイは温厚な生き物なので、積極的に刺してくることは稀ですが、踏んだり触ったりすると刺されます。すり足で移動しても無駄です。どんなに気をつけていてもエイを驚かせたら刺されると考えましょう。
「エイガード」という商品もあるぐらいで、アカエイの毒棘は厚い長靴も容易に貫通します。
刺された時の痛みは、太い釘を打ち込まれた痛さを想像すると良いかもしれません。数分後には強烈な痛みに襲われて、動けなくなるほどの激痛(らしい)です。
エイの毒は「タンパク質の毒」で、細胞を破壊します。
また、毒棘は「かえし」がついているため、無理に引き抜くと棘が残る可能性があります。
…とっても怖いです 😈
刺されたらどうなるか気になる方はこちら「エイ 刺された – Google 画像検索」グロ注意
アカエイ対策
足元が見えないところには行かないこと。それでも保護色なのでエイは見つけにくい。
死んだエイにも近づかない。子供にも言って聞かせること。
水に入る方にとって、有効な対策がないのが厄介です。
アカエイに刺された時の応急処置
刺されたと思ったら、すぐに陸に上がる。激痛で動けなくなる前に!
そして毒を絞り出し、やけどしない熱めのお湯(42度以上)で患部を温めると鎮痛効果があります。そのまま、すみやかに病院に行きましょう。
自身の判断で我慢、治療して症状を悪化させないようにしましょう。エイの毒は細胞を壊死させていきます。
毒の吸い出し用にポイズンリムーバを携帯しておくと心強いです。
参考 調べると、タンパク質の毒は42℃以上で熱変性を起こして失活するようです。リスクを承知で自身で治療する場合は、熱いシャワーで失活させ洗い流すことで効果が見込めそうです。熱だけでなく、吸い出す・洗い流すことがポイントです。お湯に浸けて温めるだけでは鎮痛作用の効果はありますが、解毒はできないと考えたほうが良さそうです。
ヒョウモンダコ、イモガイも(レアだけど)危険生物
あまり関東の潮干狩り場では見かけませんが、ヒョウモンダコやイモガイは死に至る毒を持つ危険生物なので知っておく必要があります。
ヒョウモンダコ

Photo by Rickard Zerpe
近年騒がれるようになった猛毒のヒョウモンダコ。綺麗な青色が印象的ですが、あれは興奮した時の色で、通常は擬態しているため人の目ではどこに居るか分からない…。毒を吐くと直接刺されなくても同じ水の中にいると被害を受ける…。といった厄介な生物です。
イモガイ

Photo by Richard Parker
毒針で刺されると死に至る事例もあるイモガイにも注意が必要です。
綺麗な巻き貝だと思ってうっかり手に取らないようにご注意ください。
→ 猛毒の針を持つ貝「アンボイナ貝」にご注意ください!|徳島県ホームページ
貝毒
貝毒とは、有毒プランクトンを食べた貝が持つ毒のことです。人間が毒化された貝を食べると食中毒を引き起こします。
加熱処理しても貝毒は消えないため、貝毒が発生した貝は絶対に食べてはいけません。食中毒症状は主に下痢、麻痺ですが、最悪の事態は死に至ることがあります。
※1942年(戦時中)には死者 144名の「浜名湖アサリ貝毒事件」が起きています。
貝の毒化は徐々に進行していくため、数日間で急に食中毒を引き起こすレベルになることはありません。
毒化する地域は、毎年同じ時期に毒化する傾向があります。そのため、過去に事例がない地域は毒化のリスクは低いと考えることもできます。
参考 貝毒に関する豆知識
日本では、「アレキサンドリウム属」「ジムノディウム属」の植物プランクトンを貝が食べることで、貝が毒化していきます。有毒プランクトンが発生した時には、あさりを含めた貝類は同じように毒化(スピードの差はある)していきます。
貝毒とは何か?を詳しく知るには「海上保安庁 海洋情報部 貝毒について」や「農林水産省 貝毒の特徴」が参考になります。
近年の発生状況について
千葉県の「貝毒検査・原因プランクトン調査結果」では、2011年から2017年の7年間で、出荷規制値を超える貝毒は検出されていません。ただし、2016年,2017年には出荷規制値以下の貝毒が検出されています。
2018年は大阪府で発生しています。
貝毒の対策
有料の潮干狩り場は、モニタリング検査がされているので安心です。
管理外の場所で潮干狩りをする方は、自分で情報収集をする必要があります。各自治体などが貝毒情報を発表していますので、事前に危険を避けることができます。
過去に事例がない地域は毒化のリスクは低いと言えるのですが、環境変化などにより、いつ貝毒が発生するかは予測ができません。そのため注意を怠ってはいけません。
溺死
考えたくはないですが、潮干狩りには溺死の危険が潜んでいます。干潟といえども油断は禁物です。
子供が潮だまりで遊ぶ時には絶対に目を離さないようにしましょう。
水深20~30cmでも子供は溺死する可能性があります。実際に悲しい事故も起きています…。
大人でも、欲が出て沖に取り残されて事件になるケースが見受けられます。
潮が満ちてきたら早めに撤退しましょう。
かなり昔の話ですが、茨城の海岸でハマグリを採っている人が、波にのまれて溺れ、レスキューで運ばれた場面を目撃したことがあります。採りすぎたハマグリの重さと、上げ潮で帰路が深くなり、身動きが取れなくなったのだと思われます。
また、千葉県のふなばし三番瀬の奥には「航路の深み」が存在します。
堤防の切れ目に深みがあるですが、何も知らずに堤防沿いに歩いて行くと引きずり込まれます。知らないと気づけないため、とても危険な場所です。ここでも、毎年のように行方不明者が出ています…。
溺死を防ぐための対策
子供から目を離さない。
大人は欲を出して無茶しない 😡
自分の子供だけでなく、一緒に遊んでいる子供たちにも目を配ってあげれると良いと思います☆ そして大人もお互い助け合いです。無茶している方が居たら声がけしましょう。
足元の怪我
管理されている潮干狩り場なら安心ですが、それ以外の場所で潮干狩りをする場合は「危険なゴミ」が存在ます。
ガラスや、釣り針、貝殻、缶、ビンにより、足を切る可能性があります。
ちなみに、神奈川県の野島公園はハゼ・キス釣りのポイントのため、釣り針が埋まっていることが容易に想像できます。BBQ場も併設しているため、酔って投げ入れられた瓶・缶が転がっていると考えたほうが良さそうです。
足元の対策
裸足での潮干狩りは避けたほうが良いです。底のある履物をおすすめします。
おすすめの裝備はこちらでご紹介しています。

迷子
Photo by YouTube 潮干狩り2(八景島・海の公園) 2013/4/28
潮干狩り場では迷子という危険もあります。ふと気付いたら子供が居ない!なんてことがあります。特にゴールデンウィークは沢山の人で賑わうため一度見失ったら見つけるのが大変です。
迷子対策
大人は子供から目を離さないようにしましょう。
子供には、迷子になっても見つけやすい服装(色)にすることも大事です。子供に笛を持たせるのも効果的かもしれません 😀
その他
潮干狩り特有ではないですが、上記の「5用心」に加えて注意すべき危険があります。
熱中症
日射しが強い日は炎天下にさらされることになりますので、熱中症の危険があります。無理をしないようにしましょう。
潮干狩りでの対策
・女性・子供のために日除けのテント・パラソルを持って休憩場所を作る
・水分・塩分が補給できるように飲み物を持っていく
・帽子を身につけ、服装で日射し対策をする
・前日からの体調管理
めまい、倦怠感、悪心・頭痛などの体調不良を感じたら、涼しい木陰へ移動し休みましょう。
冷えによる体調不良
潮干狩りのシーズンは、まだまだ肌寒い日が続きます。海辺は風が出やすいですし、日が陰ってくると、あっという間に冷えてしまいます。防寒対策は万全にしていきましょう。
日焼け
潮干狩りでは日焼けも大敵です。海水浴と同じで浜と海面からの照り返しを受けます。夏の海水浴と同じ対策をしていくのが無難です。
気付いたら、恥ずかしい半袖焼け、情けない丸首焼け…、なんてことにならないように♪
海の危険生物
イモガイ、カツオノエボシ、ヒョウモンダコなど猛毒を持った海の生き物にも注意が必要です。個人的に潮干狩り場で遭遇することは稀だと思われるため割愛します。
年々、温暖化により危険生物が北上する傾向がありますので、お出かけする地域での発生状況を確認いただければと思います。