本格薪ストーブ「BLISS」を先行レビュー。
一番の特徴は、これまでのキャンプ用の薪ストーブとは別次元の高い機能性。
美しい炎は一見の価値があります。 動画でも紹介しているので是非ご覧ください。
天板と燃焼炉の両方で調理できます。
家庭用の本格薪ストーブの機能を搭載しているため
- ゆっくり揺らめく「オーロラの炎」が楽しめる
- 調理が楽しめる大型の燃焼炉
- 二次燃焼機構 (燃焼効率が良い、煙がクリーン)
- 大型ガラス窓はエアカーテンで曇りにくい
といった点がこれまでのキャンプ用薪ストーブとの大きな違い。
動画で紹介しているので、それだけでも見ていってください。
ということで、薪ストーブ FIREGRAPHIXの「BLISS」をいち早く使わせていただいたので、その魅力を紹介します。
※メーカー様から商品提供していただいています
FIREGRAPHIX 「BLISS」
創業53年の歴史を誇る板金・塗装会社の(株)寿産業が立ち上げたブランド「FIREGRAPHIX」が手掛ける、ポータブル薪ストーブ「BLISS」

- 2次燃焼機能 (クリーンな排気、高燃焼効率、煙突から火花が出ない)
- ガラスクリーン機能(エアカーテン)搭載で窓ガラスが汚れにくい
- オーロラの炎
- 大きな燃焼室 (35cmの薪3本平置き可、12inchピザ可) 天板 40cmx38㎝
- サイズ 縦318.5×横419×奥行382 mm (煙突受装着時 奥行512 mm)
- 煙突サイズ Φ106
- 重量 本体 17kg
- ガラス面(34cm x 18cm)、耐熱ガラス
- 主材料 鉄1.2㎜ 耐熱塗装
- スタンド2種 (設置用 & 持ち運び用)
- 5連煙突 オーバーレイチムニー
- 延長煙突
- 煙突ガード
- 煙突TOP(雨除け)
- 煙突固定リング
- 調理用五徳
- 薪トング
- 灰取りスコップ
オプション品も続々開発中で、ドンドン充実していっています。
BLISS-SP最大の魅力は「オーロラの炎」
BLISS-SPの最大の魅力はオーロラの炎が見られること。
オーロラの炎は、炎が燃焼室の上部に広がりそれがオーロラのようにゆっくり揺らめいて見える状態。
ということで、まずは動画をご覧ください。
眺めていて飽きない美しさ。
このオーロラの炎が楽しめるのがBLISSの最大の魅力です。
他のアウトドアストーブでは見られない光景です。
多彩な調理ができる
BLISSのもう一つの強みは調理の幅が広いこと。
ダッチオーブン(8インチ)、スキレット(8インチ)、セラミックポット、ピザ焼き、などが楽しめます。
BLISSで、実際に試してみた調理方法を簡単に紹介します。
ピザ
オーブン調理の醍醐味といえばピザ焼き。
BLISSのオプションのゴトクの上に、ピザストーンをのせてその上でピザが焼けます。
火加減は熾火または炭火で。今回使ったのはデロンギのスクエア型のピザストーン。BLISSのゴトクにちょうど良いサイズ感。
数分でピザが焼き上がりました。
ピザストーンがピザの底の水分を吸ってくれるのでパリッと仕上がります。
生地がパリッと、チーズがふんわり伸びて美味。
これまで食べてきたピザとは比べ物にならない逸品。
セラミックポット
セラミックポットで煮込みハンバーグ。
BLISSのオプションのゴトクの上にピザストーンをのせて、直火に当たらないようにしてセラミックポットを投入。
グツグツ煮込んで味が染み込んだハンバーグが完成。
絶品です。
スキレット
スキレットで調理したのは真鯛のアヒージョと豚ブロック肉と野菜のグリル。
BLISSのオプションのゴトクの上に、スキレットを直接乗せてしばらく待つだけ。
熾火でじっくりと熱を伝えて焼き上げたので、 柔らかい仕上がり。
炎が上がっている時には、焦げないようにフタをすると良いですね。
ダッチオーブン
冬は冷えるので体が温まるものを。ということでダッチオーブンでシチューを作ってみました。
約8インチ(19cm)のダッチオーブンがスッポリと入ります。
BLISSのオプションのゴトクの上に、ダッチオーブンをのせてしばらく待つだけ。
吹きこぼれたので天板に退避します。
天板でコトコト火を通し続けて、ルーを入れて完成。
天板でジックリ調理できる
BLISSの天板も調理に使えます。
天板の温度は約180度から300度ぐらいなので、ガンガン強火調理というわけにはいかないのですが、鍋を保温したり、お湯を沸かしたりするのに便利。
今回の調理では、燃焼室で火を通して、天板で弱火や保温調理しました。
以下の使い方が向いています。
- コトコト煮込んだり
- 弱火でジックリ火を通したり
- お湯を沸かしたり
- マグカップを温め直したり
- 湯たんぽを温めたり
コーヒーを温め直すのに便利です。
二次燃焼機構
BLISSがこれまでのキャンプ用の薪ストーブと違うのは、二次燃焼を実現している点。
一度薪から燃えて出た煙やガスを燃焼室内で再度燃焼させる仕組みがあり、燃料を効果的に燃やすことができます。
- 燃焼効率が良い
- 排気がクリーン
- 煙突から火の粉が飛ばない
焚き火や、キャンプでよく使われる薪ストーブは一次燃焼のみ。一次燃焼は煙が上がるのが特徴。二次燃焼は、その煙まで燃やして完全燃焼に近い状態にすることができます。
ここからは、実際にキャンプで使った様子を交えながら二次燃焼のメリットを掘り下げてお伝えします。
煙突から火の粉が出ない
BLISSは、二次燃焼させるため煙突から火の粉が出る心配がありません。
実際に我が家が8時間ほどテントに近づけて薪ストーブを使いましたが、テントに穴は空いていませんでした。
メーカーさんの話によると、火の粉が出るケースは、紙やオガ屑などを燃やした場合や、煙突にタールや煤などが溜まって引火した場合とのこと。
内部の構造を見ても、燃焼室から煙突に向かう直線経路がないため、薪が爆ぜても煙突から火の粉が飛び出しにくいように思います。
BLISS用の煙突TOP(雨除け)を試作中なので、スパークアレスターが無いと心配という方には、それがスパークアレスターの代わりにもなるとのことでした。
※[裏話] 実はBLISSを製造している寿産業は有名メーカーの煙突TOPを製造していたりします。
これまでの一次燃焼の薪ストーブは煙突から出る火の粉対策が必要になります。
煙突を高くしたり、スパークアレスターを取り付けて対策するのですが、スパークアレスターの網目が粗いと火の粉が飛び出したり、逆に網目が細かいと煙突が詰まってしまったり調整が難しいようです。
クリーンな排気
BLISSで二次燃焼ができていると、煙突から出る煙が白色や透明になります。
焚き火など一次燃焼の状態だと黒煙や灰色の煙が上がるらしいのですが、二次燃焼しているとその煙をさらに燃やすことができるので綺麗な排気を実現。
まだ私のスキルだと一次燃焼と二次燃焼の見分けがつかないのですが、メーカーさんにBLISSを使ってみた時の動画を確認してもらったら二次燃焼しているとのことでした。
二次燃焼できていることの確認方法をメーカーさんにお伺いしたところ以下の回答をいただきました。
- 煙突から黒またはグレーの煙が出ていない
- 煙突から出ている煙の臭いがほとんどない
上記の状態であれば二次燃焼しているとのことでした。
煙の中に含まれる微粒子、一酸化炭素、タールなどの不純物(汚染物質)が二次燃焼によ
り90%ほど削減されるというデータがあります。
薪1kg を燃やした時の汚染物質排出量を二次燃焼薪ストーブ(クリーンバーン)と燃焼効率の良くない薪ストーブ(一次燃焼)で比較したデータ。
クリーンバーン | 燃焼効率の良くないストーブ | |
---|---|---|
一酸化炭素 | 5g/kg | 180g/kg |
微粒子 | 2g/kg | 30g/kg |
タール | 2g/kg | 30g/kg |
参考 郡上市 薪ストーブ普及・推進協議会 森林資源の有効活用と地域の活性化を図る薪ストーブの普及・推進に関する検討報告書(PDF)より
燃焼効率が良い ~ 1本の薪で最大1時間
BLISSは燃焼効率が良いのも強み。
薪を二次燃焼させるため、煙まで燃料にして、完全燃焼に近い状態まで薪を活用できます。
実際に我が家が8時間ほど薪ストーブを使った時の薪の消費量が14本。35cmの広葉樹の薪を16本持っていって2本持ち帰り。
ただ、ずっと二次燃焼させていたわけではなく、熾火で調理したりしていたので参考程度にしてください。
ガラスクリーン機能(エアカーテン)搭載
BLISSはエアカーテンによりガラス窓をクリアな状態に保てます。
このエアーカーテンも、他のアウトドア薪ストーブとは違うBLISSの強み。
燃焼室の空気の流れをコントロールして、窓ガラスにエアカーテンを作ることで、ガラス
窓が曇ったり、煤で汚れにくい構造を実現。
メーカーさんが展示会で一晩使った時のレポートを上げてくれています。
先日 朝霧で行われたイベントで1晩BLISSをつけっぱなしで朝まで置いておきました。朝起きてみると窓がピカピカ、煤がほとんどついていません。
ちなみに、我が家が薪を燃やした時も窓はほとんど曇りませんでした。右下・左下の部分にほんの少し煤が付く程度。
ただ、使い方によっては汚れます。
薪ストーブ初心者の我が家の場合、熾火で調理したときに吹きこぼれがあったり、オーロラの炎を見るために空気を絞りすぎて煙だらけにしてしまったり(笑)といった失敗をして汚してしまいました。
せっかくのエアカーテンも扱い方次第ですね。
上記の煤汚れは、ダッチオーブンで吹きこぼしてしまったのが原因。
横型のビックサイズで使いやすい
BLISSの燃焼室は大きく作られています。
- 35㎝の薪が平置きで3本入る
- 12inch(約30cm)ピザがまるごと入る
- 8インチ(約20cm)のダッチオーブンやスキレットが入ります
また、天板も40㎝ x 38cmの広さがあるので、大きな湯たんぽなどを温めるのに便利。マルカの湯たんぽ(大サイズ 3.5L)が余裕で乗ります。
調理器具もたくさん乗ります。
4口のコンロとオーブンがある感じなので、4人家族の食事を作るのに十分なサイズ。
収納効率が良い ~ 延長煙突3本まで収まる
BLISSは本体のダンボールに延長煙突3本を追加して収まります。
ちょうどこれでギリギリぐらい。
本体のダンボールに収納できます。
延長煙突を3本継ぐと高さ3mぐらいになるので、人が立って歩けるほどのテントであれば、テントの上に1mほど煙突を伸ばすことができます。
標準の煙突(5本継ぎ)だと2mほどの高さ。※人物の身長175cm
唯一のデメリットは重量
BLISSの唯一のデメリットは重さ。
延長煙突3本を含めて収納すると重さは約25kg。
合計 | 24.89kg |
---|---|
本体セット | 17kg |
ポータブルスタンド | 6kg |
オーバーレイチムニー(煙突) | 1.2kg |
延長煙突 230g × 3本 | 690g |
個人的には、ギックリ腰経験者なので慎重を要する重量。
ということで、ダンボールを2つに分けて、本体のみと、それ以外のオプション品という収納方法にしています。そうすると17kgと8kgほどに分割できます。
他のストーブの重量をザッと調べてみても、BLISS本体セット17kgは重いほうです。
重量 | |
---|---|
9.4kg | ジーストーブ(G-Stove) Heat View 本体セット |
12kg | ペトロマックス キャンピングストーブ ロキ |
16.5kg | アネヴェイ フロンティア ストーブ プラス |
18.5kg | ロマンチカル薪ストーブ (ピザオーブン付) |
20kg | locomo(ロコモ)アウトドア薪ストーブ ワイド (付属品含む) |
※オプション品の有無などの細かいところまで調べていませんので参考程度に。
BLISSはアウトドア薪ストーブの中では重い方ですが、機能と持ち運びやすさのどちらを優先するかですね。
参考 オーロラの炎が見られるアウトドア用薪ストーブはBLISSだけ
シンプルで上品なデザイン
BLISSはシンプルで上品なデザインが特徴的。
無駄な装飾がなく加工も綺麗。
個人的には文句なしのデザイン。
キャンプだけでなく自宅用の薪ストーブとしても映えるデザイン。高級感があるのでグランピング施設に設置してあっても似合いますね。
ドアレバーも、シンプルで手馴染みの良い上品なシルエット。
正面の空気調整レバーも、シンプルで無駄のないデザイン。
組立て・使い方
組み立て方と使い方もシンプル。たった4ステップ!
詳細な組み立て手順は、公式YouTubeで紹介されているので参考にしてください。
初回使用時は焼付け作業が必要
初回は、本体の塗料や防腐剤の焼き付けが必要です。
我が家が初めて火入れをした時には、本体から煙や匂いが出なくなるまで2時間ぐらいかかりました。ひどい悪臭ではないのですが、独特な匂いが漂うので、テント内で火入れする時はパネルを開放して換気すると良いと思います。
BLISSのオプション品
BLISSは、今後さらなるオプション品が販売される予定です。
- ゴトク (試作品を調理で使用させていただきました)
- 煙突ガード
- 煙突トップ(雨よけ)
- サイドテーブル
- BLISS用バッグ
- シャベル
- トング
といった感じで続々と便利なオプション品が開発されています。
ちなみに、BLISSを手掛ける寿産業は「オーダーメイド・オリジナル商品開発」も手掛けているので、自分の欲しいアイテムをBLISS用に作ってもらうこともできます。
既製品の薪ストーブという枠にとどまらず、自分好みのオプション品をメーカーにオーダー可能
無限の楽しみ方ができるアイテムです。
日本メーカーの保証品質だから安心
BLISSは日本メーカーが製造・販売・サポートしているのでサポートは万全。
FIREGRAPHIX 製品には保証書はありません。しかしメーカーが自社の製品の品質に責任を持つのは当然であると考えています。
ご購入いただいた製品に不備または損傷がある場合は、お手数ですがまずマクアケメッセージにてご連絡ください。
製造上の欠陥が原因の場合は、無料で修理または交換させていただきます。
その他の場合には適正な価格で修理させていただきます。
(株)寿産業は、創業53年の歴史を誇る板金・塗装会社。
BLISS自体を生産しているため技術力は文句なし。心強いサポートです。
まとめ
本格薪ストーブ「BLISS」を先行レビューさせていただきました。

- ゆっくり揺らめく「オーロラの炎」が楽しめる
- 調理が楽しめる大型の燃焼炉
- 二次燃焼機構(燃焼効率が良い、煙がクリーン)
- 大型ガラス窓はエアカーテンで曇りにくい
正直、お値段はそこそこしますが、暖房用途がメインのアウトドア薪ストーブと比べると圧倒的な機能差があり、楽しみ方が何倍も違ってきます。
天板と燃焼炉の両方で調理可能。
BLISSがあればワンランク上の冬キャンプが楽しめます。
