ミナミヌマエビの繁殖方法をご紹介します。適切に管理すれば爆発的に繁殖します。
繁殖に関する生態
ミナミヌマエビの繁殖に関する生態を おさらいします。
- 春から夏が繁殖期で、淡水で繁殖することが可能
- 水温を20℃越えると繁殖する(我が家の実績)
あまり難しく考えなくても良いです。我が家では、トータル5匹のオスとメスが自然と繁殖してくれます♪
参考 ミナミヌマエビの生態に関してはこちらをご参照下さい

稚エビの隠れ場があれば勝手に繁殖してくれる
春を迎えて水温が20℃を超えるようになると、ミナミヌマエビは勝手に繁殖してくれます。
繁殖の一番の難所はメダカなどに捕捉されることです。しかし、母エビが一度に100個ほどの卵を産卵するため、水草などの稚エビの隠れ場所があれば、自然の節理で、環境に合った数に落ち着きます。生き物って不思議なものです。
ちなみに水草は「ウィローモス マット」がおすすめです。
剣山状に伸びるウィローモスなら稚エビの隠れ家になりますし、マットの底と土(石・ソイル)の隙間が隠れ家になります。沈んでいるため稚エビが隠れる際に負担にならず、餌としても食べやすい水草だと思います。
また、ウィローモスは放っておくとドンドン増えてくれます。
オススメはウィローモスですが、その他の水草でも問題ないです。水草の紹介記事を参考に、好みの水草を探してみてください。

繁殖方法 ~稚エビを守って飼育する~
ミナミヌマエビの繁殖効率を爆発的に向上させる方法をご紹介します。
ミナミヌマエビを、たくさん繁殖させるためには、繁殖を妨げる要因(捕食と餌)を人工的に管理して、繁殖しやすい環境を整えてあげます。
そして、ミナミヌマエビが抱卵するようになったら手間暇かけてお世話をしてあげます。
それでは順にご紹介します。
注釈 ヒーターなどで水温をコントロールすれば、年間を通して繁殖させることができるようですが、我が家では経験がないため触れません。
母エビが抱卵したら、孵化後に捕食されないように隔離する
メダカなどと混泳させている場合は、卵から孵化した稚エビが、メダカに食べられてしまいます。そのため、ミナミヌマエビが抱卵したら母エビごと隔離してあげることが大事です。
稚エビが孵化してからだと、小さすぎて捕まえることができなくなってしまうため、抱卵した母エビを見つけたら2週間以内に隔離します。
水質の悪化が起きないように、産卵用の水槽は小さ過ぎないものが良いです。また、産卵用の水槽の水質が変化しないように、通常の水槽の水を産卵用の水槽にそのまま(100%)移すと安心♪
産卵用水槽の水は、
- 通常の水槽の水を半分だけ産卵用の水槽に分ける
- 通常の水槽には足し水をする
- 数日後に、再び通常の水槽から産卵用の水槽に水を分けてあげる
ということを繰り返していくことで、産卵用の水槽の水質変化が少なくなります。
水草と藻を繁殖させて餓死させない
ミナミヌマエビの餌は水草と藻です。そのため、稚エビが餓死しない環境を整えていきます。稚エビが孵化する頃には「水草 伸び伸び♪」「コケ 沢山♪」が理想的です。
水草をたくさん投入して、のびのびと育ててやりましょう。小さいながらにツマツマ頑張って食べてくれます。水槽のコケを掃除したり、コケ掃除屋さんの貝類の投入は逆効果です。
こんな感じにウィローモスをモッスモスにしてあげます。
エアレーションは使わない
エアレーションは、稚エビがフィルターに吸い込まれる危険があるので不要です。酸素の供給と水質改善は、水草と藻を飼育することで補えます。水草と藻は餌にもなるので一石二鳥です。
抱卵したミナミヌマエビの母を、水草いっぱいの産卵用水槽に隔離して放っておけば勝手に稚エビが孵化してくれます。その後、稚エビが大きくなるまで伸び伸び育ててあげましょう。
産卵を終えた母エビは元の水槽に戻してあげる
母エビが産卵を終えたら、すぐにオスが待つ元の水槽に戻してあげます。
すると…
驚くほど早いペース!
メスのエビがしばらく居なかったせいか、オスの頑張りが違ってくるのだと思います (笑
上記の手順で、抱卵したら隔離して、産卵を終えたら元の水槽に戻すということを繰り返すと、爆発的に繁殖します。
我が家で繁殖させた経過をご紹介
ここからは、我が家の2016年の観察日記から、ミナミヌマエビの繁殖の経過をご紹介します。
3月中旬にミナミヌマエビが抱卵
2016年3月18日にミナミヌマエビが抱卵しました。水温は17℃~20℃ぐらい。母エビが一生懸命お腹の卵を揺らして酸素を送っています。

この頃は、冬の時期には大人しかったミナミヌマエビが、水温が上昇したことからメダカに負けじと水槽の中を泳ぎまわっていました。

4月中旬に卵の色が変化していることに気づく
約1ヶ月後の2016年4月16日にミナミヌマエビの卵が透明になってきていることを発見しました。稚エビが卵の中で成長している証拠です。徐々に色が変わっていったのだと思いますが、後から抱卵した母エビの卵と比べてみて色の違いに気づきました。

右の先頭が黒い卵を抱えたミナミヌマエビ、左が茶透明の卵を抱えたミナミヌマエビ。わかりづらい写真ですが、並んだ時の色の違いが少しでも伝わればと思います。
茶透明の卵を抱えた母エビのアップ。産卵間近のため、卵の中の稚エビの姿が透けています。
4月中旬に卵が孵化していることに気づく!
翌日、抱卵から約1ヶ月後の2016年4月17日にミナミヌマエビが孵化していることに気づきました。後で気づきましたが、孵化に気付いた時の稚エビは孵化後に成長した個体だったようです。少し前に孵化していたはずです。

孵化直後のミナミヌマエビはミジンコのような大きさで目視が難しいサイズです。じっくり観察しているとエビのようにピョンピョン動き、カブトガニのような姿でした。

4月下旬に産卵直後のミナミヌマエビが再び抱卵
産卵を始めた母エビが抱えている卵が全て孵化してからオスの待つ水槽に戻しました。その数日後の2016年4月28日に再びミナミヌマエビが抱卵していたため驚きました。1ヶ月ほど隔離していたのが効いたのか…、求愛行動が激しいようです 😳

5月以降も続々と産卵を続ける
その後も、続々と産卵が続きます。

孵化後1ヶ月で、稚エビは体長1cmに成長
孵化後、1ヶ月後に稚エビが体長1cmに成長していたので、メダカと混泳させることに。

メダカに捕食されないか心配でしたが、稚エビは元気にしているようです。

ミナミヌマエビと同時期にメダカの産卵が始まったのですが、ミナミヌマエビの成長が早い事に気づきます。

6月 増えすぎたミナミヌマエビ
ミナミヌマエビが増えすぎたため、他の水槽に移し始めます。


あわせて、里親探しに奔走しました。



孵化から2ヶ月後、稚エビも産卵を始める …もう止まらない
最初の孵化から2ヶ月後、驚いたことに稚エビさんたちが産卵を始めました…。

参考 7月上旬の時点で50匹以上に増えました。現在は人工的に手を加えた繁殖は中止しています。
まとめ
ミナミヌマエビの繁殖方法「抱卵後に隔離して、産卵後にオスの待つ水槽へ」
教訓「人工繁殖はほどほどに…」