メダカの稚魚の育て方を調べてみました。一番の注意点は「餌」と「捕食されない」こと。その他の注意点をふまえて生存率を上げるための飼育方法をまとめました。
メダカの稚魚に餌をあげても…、あまり食べていないようです。お腹の栄養タンクもあるようだし、水草でもつついて生き延びるのだろうか?と心配になりメダカの稚魚について調べてまとめました。
メダカの稚魚について
メダカの稚魚がどのような成長を遂げるのか、その過程でどのようなリスクがあるのかまとめてみました。
稚魚について理解を深めることで生存率を上げることができます。
稚魚の成長過程
メダカが卵から孵化した後は以下のように成長します。
日数 | 写真 | 名称 | 内容 |
---|---|---|---|
0日 | 孵化 | 卵から魚に♪ | |
~3日 | ![]() |
針子 (栄養袋付) |
お腹の栄養袋で育つ 餌は不要 |
~2週間 | ![]() |
針子 | 食欲旺盛 透明色 餓死せず生存できるかの難関期 |
2週間~ | 稚魚 | 捕食や餓死の危険が減る安定期 色味が出てメダカらしくなる |
メダカの稚魚は上記の成長過程を辿ります。
針子の時期に、餓死しないように餌やりに気を使う必要があります。
私も飼育当初は、針子が餓死してしまうリスクが一番大きいということを知りませんでした。あらかじめ、稚魚が死んでしまう原因を知っておくと守ってあげることができます。
稚魚が死んでしまう原因
メダカの稚魚の死因を表にまとめました。
基本的には親メダカと同じですが、些細な変化が稚魚の生死に大きな影響を与えます。
死因 | 内容 |
---|---|
捕食される | 親メダカ、エビ類、ボウフラなどに注意 |
餓死する | 必要な時に充分な餌がないと餓死する |
過労 | 水流があると疲労したり、フィルターに吸われる |
水質変化 | 糞・食べかすから発生する毒素が高濃度に |
温度変化 | 急な温度変化は避ける (水温は25度前後が最適) |
針子への餌やりは細心の注意が必要です。コケや水草などを食べて勝手に生き延びるのかと思っていましたが、餓死するというのは盲点でした。成魚用の餌を与えても食べないので心配していましたが、餌が悪かったことが早めに分かって良かったです。
水質変化と温度変化に関しては、なるべく大きめの水槽を使うことと水換えをしないことで対応ができます。メダカが小さいからといって、小さな水槽で飼育しようとすると失敗します。
野外で飼育している時には、天敵に注意する必要があります。ボウフラやヤゴが水槽に入り込んでしまうと身を守る力が弱い稚魚は格好の餌食になってしまいます。
稚魚を育てあげるための工夫
飼育に気をつけていれば、稚魚の生存確率をあげることができます。ここでは、どのような手段が有効かご紹介します。
他の生体と水槽を分けて育てる
メダカの稚魚は他の生体に捕食されてしまう危険があります。親メダカや、エビ類に食べられてしまわないように他の生体と水槽を分けて飼育するべきです。
また、ボウフラにも捕食されてしまうため、外で飼育する場合には侵入者にも注意が必要です。
隔離用のネットも売っていて、これを緊急用として使う分には良いと思います。しかし、卵・稚魚の水槽を分けてあげたほうがベストです。大きい水槽で伸び伸び成長できますし、親メダカが毎日産卵する時期もあるため、ネットだとすぐに手狭になってしまいます。
参考 アルビノの稚魚は生まれつき視力が弱く、餌をうまく食べられないため、水槽を必ず別にすると良いです。
我が家の場合
我が家では、産卵用の水槽を準備して、メダカの卵を見つけたら産卵用の水槽に移すようにしています。稚魚は産卵用水槽で孵化させています。
ちなみに、卵を抱えたミナミヌマエビもメダカと同じ産卵用水槽に移しています。捕食されないように分けたほうが良いのだと思いますが、稚魚・稚エビ同士なら大きさも変わらないため、捕食関係にはならないだろうという考えです。
実際、お互い仲良くやっているようです。ただし、大きくなって力関係が崩れたらエビさんはお引越しさせています。
餌を過不足なく与える
グリーンウォーターで育てるのがベストですが、難しい場合は粉末の餌で育てます。
我が家は粉末のエサで育てています。
グリーンウォーター
稚魚(特に針子)はプランクトンが豊富なグリーンウォーターで育てるのがベストです。稚魚が、いつでも新鮮なプランクトンを好きなだけ食べることができます。
グリーンウォーターの作り方
適当な容器に水を貯める。数匹メダカを入れて日に当たる場所で放置する。水が浄化されないように、土や水草は入れない。2週間ほど経過すると水が緑色になり完成。
Photo by Dirty
餌を粉末状にして与える
乾燥餌の場合は、メダカの稚魚の口に入りません。
稚魚用のエサを準備してあげるのが理想ですが、粉末状にして与えることもできます。
ということで、早速、餌を粉末状に潰して与えるようにしました。すり鉢や乳鉢で粒を崩して、皿(さら)に移して更(さら)に粉にしていく(ダジャレではない)という地道な作業です。下の写真はすり鉢の工程です。すり鉢は100均の手のひらサイズのものなので、かなり小さいものです。エサをすり潰しても粒が見えるのでまだまだです。
実際、粉末にした餌を針子に与えたら少し食べてくれるようになりました。水面に浮くパウダー状の餌をパクパクしています。
パウダーより大きいものは落下するのですが、落下する大きさの餌は針子が口にできないないようです。針子が興味を示して口を使いますが全然口に入りません。本当に小さい餌が必要なのだと痛感しました。
下の写真は、先程のすり鉢で擦って小さくしたエサです。沈んだ餌の粒が大きい状態。餌のサイズは上のすり鉢写真で見える粒ほどですが、針子にとっては大きすぎて口に入りません。細かくしたつもりなのですが…、至らず… 😕
これから購入する方は、すり鉢より、乳鉢のほうが粒子が細かくなるので役に立ちます。
もしくは、メダカの稚魚用の餌を使ったほうが安心です。手間もかかりません 😀
エアレーションは使わない
メダカの稚魚は流れのない環境で飼育します。水流があると疲労してしまいます。フィルターに吸い込まれて死んでしまうこともあるため、エアレーションは使えません。
水質浄化は、以降で紹介する方法で対策すると良いです。
水換えは極力しない
水換えは針子にとってストレスになる危険があります。
針子は、透明で小さいため見えにくいです。水換えの際に流してしまう可能性も高いですし、針子を傷つけてしまうかもしれません。
水換えは極力しないようにして、別の方法で水質悪化を防ぎましょう。
水質悪化を防ぐために多めの水で飼育する
実際に稚魚を育ててみて、一番効果のあった方法がこちら。
メダカの稚魚は小さいので、コップや花瓶などの小さな容器で飼育したくなります。しかし、稚魚の時期こそ、大きめの水槽で飼ってあげたほうが、水質悪化を防げます。小さな容器で飼育するのは避けたほうが良いです。
メダカの稚魚は、水質や温度の環境変化に弱いです。食べ残しを除去するのも大変だし、エアレーションも使えません。水換えも避けたいところです。
小さい容器で飼育すると水質悪化が早まるため、水換えが必要になります。しかし、水換えは稚魚にとってストレスになってしまうので避けた方が良いです。
そのような理由から、飼育過多で水質が悪くならないように、多めの水で飼育するのが良いです。水量があることで温度変化もゆるやかになります。
土と水草を入れて浄水する
水質浄化のために水草と土を入れてあげます。我が家では、バクテリアが繁殖するように赤玉土を敷いて、水草はウィローモス(カットした残り)を針子の水槽に入れて一緒に育てています。


※ウィローモスはグングン伸びるのでおすすめの水草です。育ったら、芝やボール状にしたり、流木に巻きつけて使えたり用途が幅広いので便利です。
水温の上がりすぎに注意
メダカの稚魚だけの話ではないのですが、水温が上がりすぎると、メダカが茹であがってしまいます。
水温の目安は、
- 水温は25度前後が最適
- 30℃を越えると危険
稚魚は、親メダカと比べて、生命力が強くないので、特に注意が必要です。

スポイトで食べ残しを掃除 (or 稚エビに食べてもらう)
水質悪化は、糞と餌の食べ残しによって起こります。
メダカの糞はコントロールできませんが、餌の食べ残しは、人間が与える量次第です。とはいえ、稚魚達の食べる餌の量は分かりませんので、少し多めにあげてみて数時間後に残っている食べ残しをスポイトで吸い取ってあげると良いです。
少なすぎると餓死してしまうリスクがあるためです。
ちなみに、我が家では、たまたまミナミヌマエビが産卵を迎えたため、食べ残し処理隊として稚エビを一緒に育てています。餌の食べ残しを稚エビが食べてくれるため水質悪化を防ぐために重要な役割を担ってくれています。ただ、稚エビが大きくなると、針子を食べるのでお引越しですね。
餓死が一番のリスクなので、不足しないように
少し大きくなったら水槽を分ける
孵化から2~3週間もすると針子から稚魚と呼べる程度に大きくなります。孵化直後の針子と一緒にせずに、水槽を分けてあげると良いです。
大きくなった稚魚を、孵化したばかりの針子と一緒にしていると、針子をいじめたり、食べてしまうことがあります。
そのため、2週間ほどして大きくなった稚魚は、稚魚用の水槽に移してあげると生存率が上がります。
繁殖しすぎに注意!
飼える量をコントロールすることも、メダカを増やす時に大事なことです。
メダカが増えすぎて、飼育場所が足りないということにならないように、卵を隔離する量を調整する必要があります。
やり場に困って野池や川に放すということはしてはいけません。
参考 私は、増やしすぎて里親探しに苦労した経験があります☆
稚魚が大きくなったら気をつけること
親メダカと一緒にするタイミング
メダカの稚魚を親と一緒にする時期は、稚魚の大きさが、親メダカの口に入らないサイズになってからにします。親メダカの口に入るサイズの稚魚は親メダカに食べられてしまいます。
稚魚のサイズが 2cm ほどになってから親メダカと一緒にします。
まとめ
メダカ稚魚の育て方のポイントを まとめます。
- 捕食されないように水槽を分ける
- 餌が不足しないようにあげる
- エアレーションは使わない
- 多めの水で飼育し、土や水草を入れて浄水する
日々一番気を使うのが餌ですね、針子でいる2週間は手間ひまと愛情を注いで、成魚に育ててあげたいところです☆
あわせて、メダカを飼育する時に起こる危険についての記事も参考になると思います。
