飼育用のメダカは野外に放してはいけません。
日本のメダカの種を絶やすことにつながりますし、生き物の生態系を崩してしまいます。
その理由について調べてみました。
メダカを放すと地域特有の種や、生き物を絶やす
日本で生息している野生のメダカは、1992年2月に絶滅危惧種(絶滅危惧Ⅱ類 : 環境省レッドデータブック)に指定されました。現在、野生種を見つけることが難しくなってきています。
※絶滅危惧Ⅰ類…絶滅する恐れがきわめて高い。絶滅危惧Ⅱ類…絶滅の恐れが高まりつつある。
野生のメダカも、地域ごとに特性が違うため「同じメダカ」ではありません。また、地域に生息していた別の生き物を滅ぼす原因になることがあります。
という事が野外に放してはいけない理由です。
野生メダカについて
日本の野生メダカは「北日本集団」「南日本集団」の2種類に分類できることが分かっています。さらに、南日本集団は9つの地域型に分類できると言われています。
分類 | 地域型 |
---|---|
北日本集団 | – |
南日本集団 | 東日本型 |
東瀬戸内型 | |
西瀬戸内型 | |
山陰型 | |
北部九州型 | |
大隅型 | |
有明型 | |
薩摩型 | |
琉球型 |
野外種と飼育種は違う
飼育用のメダカは、人工的な交配により「飼育種」として育てられてきたもの。「メダカ」のイメージとして一般的な、黄色いヒメダカは飼育種です。昔から自然で命をつないできた「野生種」とは遺伝子が違います。
ということで、飼育種を手に入れたら、責任を持って飼育する必要がありますね。命を絶やすまで、見届ける必要があると考えると、責任の重さを感じます。
野生メダカが居ない場所に放すのもNG
野生のメダカが居ない場所なら、メダカを放しても良いのでは?と思われがちです。(私もこの理由がイマイチ分からず調べたという経緯があります)
その地域にメダカが居ない場合でも、放してはいません。
- 増水時に流れ出たり
- 卵が鳥などに運ばれて移動したり
- 誰かが採取して他の場所に放ったり
ということが考えられます。
自然で採ってきたメダカも放してはいけない
野生で採ってきた「日本のメダカ」を別の地域に放すことも、その地域の特有の遺伝子を絶やしてしまうことにつながります。
「野生のメダカ」でも地域特有の特性を持っているため、他の場所で採取したメダカを、他の地域に放してはいけないのは、このためです。
採ってきたら同じ場所に放しましょう。放すことになるなら採らないというのが得策ですね。
「クロメダカ」も飼育種がある
日本特有のメダカの品種として、ニホンメダカ、クロメダカと呼ばれているメダカがいます。
しかし、一般的に販売されているメダカは「飼育種のクロメダカ」
野生のメダカとは違うため、放してはいけません。
水草類も放してはいけない
メダカに限らず、飼育用に買った水草も自然に放ってはいけません。
ホテイアオイやアナカリス(オオカナダモ)は、そもそも日本に存在しなかった「外来種」。もともと日本に存在している他の生き物や、水草を絶やしてしまうことになります。
アナカリスは、実験用に日本に持ち込まれたものが大繁殖して在来種のクロモが激減しました。1940年代に山口県で野生化。1970年代に琵琶湖で大繁殖しています。
ホテイアオイは繁殖力が強いため、水面を覆って水中への太陽光を遮って他の生き物へ影響を及ぼします。また、越冬できずに冬場に大量に枯れて水質を悪化させることが問題になっています。
まとめ
ということでした。